〜池袋の森から〜

「めまい」について~最近増えております~

日常の診療で「天井が急に回り出し、このままどうにかなってしまうのではないか」と訴えて来院される患者さんを時々みかけますが、さほど心配することはありません。

「めまい」は自分ないし周囲が動いていないにもかかわらず、動いているように感じる錯覚または異常感覚ともいわれております。

その症状から(1)周囲がグルグル回る(回転性めまい)、(2)歩行時フワフワふらつく(浮動性めまい)、(3)立つとグラっとする(立ちくらみ)の3つに大きく分かれておりますが、このような平衡失調と一緒に吐気・嘔吐などの自律神経症状を伴うことも良く有ります。ちなみに「乗り物酔い」も、自律神経症状を主とした平衡失調をきたし、めまいの一種と考えられております。

それでは何故このような事が起きるのでしょうか。我々は空間での自分の位置を眼、内耳(三半規管・前庭)および手足で感知し、その情報が脳に伝えられ、そこで身体の平衡(バランス)をコントロールしております。これらの経路の何処かに異常を生じた場合に、「めまい」として感じる事になります。

めまい発作時における、難聴などの耳の症状や激しい頭痛・手足のしびれなどの脳症状の随伴は、めまいの診断をする上で大切なサインとなります。発作時はそれどころではないかも知れませんがよく観察しておいてください。

また、めまいが身体のどの部位の、どんな病気で起こっているのかを診断するために、詳しい問診を初めとして平衡機能検査や画像診断検査などが必要となってきます。

めまいは、内耳が原因で生じることが多く、女子サッカーの澤選手のかかった「良性発作性頭位めまい症」が患者の30~40%を占めており、その他メニエール病や突発性難聴などによるものも外来でみられます。また、脳腫瘍・脳血管障害などの脳疾患、さらには血圧や頚椎の異常、ストレスにより生じる場合もあります。

内耳によるめまいは、命に別条はありませんが、激しい頭痛や手足のしびれなどの症状を伴う「めまい」は脳の異常が疑われますので注意が必要です。

脳の病気でも初めの段階ではめまい以外の症状が無く、時間が経ってから脳の症状が発現することもあるので、重篤な病気を見過ごさないためにも、「めまい」を生じたら早めに医療機関を受診しておいたほうが無難でしょう。

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天心堂医院

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