花粉症は、国民の4人に1人が罹患しており「国民病」と言われております。
昨年は、予想どおり東京都での観測史上2番目の大量飛散となり、新たに花粉症を発症した人が増えたのではないでしょうか。
ちなみに1番多かった年は6年前(2005年)でしたが、その前後の年は少ない飛散で例年(過去10年間の平均)の1割から2割くらいでした。
今年の予測も少なく、「東京都福祉保険局」によると例年の3割から5割程度の見込みです。
しかし少ないからといって油断は禁物です。昨年スギ花粉を大量に浴びた人は、花粉に対しての過敏度が高まっているため、少量の花粉でも症状が出てしまいます。大量飛散の翌年で患者さんを苦しめるのはこのためです。
大手新聞によると、2月~4月の季節だけスギ花粉の少ない九州の離島や北海道へ避難する「避粉ツアー」というのがあり、花粉症で悩んでいる人には好評のようです。
最近はスギ花粉の増加だけでなく、都市化と生活環境の変化が著しいためか小児の花粉症が増加しております。
ある統計によると、花粉飛散時期の体育の授業、運動会や野外活動への参加に配慮している小学校の割合は、30%を超えているそうです。
学校もこの時期は、花粉症の対策に頭を痛める様になりますね。
治療を大きく分けると、とりあえず症状を緩和する対症療法と根治が期待できる免疫療法による根治療法があります。さらに対症療法は一般に行われている薬物療法とレーザーを使った手術療法に分けられます。
薬物療法としては、抗ヒスタミン薬(第一・第二世代)などの内服薬と点鼻・点眼薬のような局所薬があり、それぞれの薬を患者さんにあった形で処方しております。中でも、抗ヒスタミン剤はよく使われておりますが、人によって眠くなる等の副作用(特に第一世代の薬)があるので注意が必要です。
レーザー手術はレーザー光線で鼻粘膜を焼灼し、アレルギー反応の起き難い粘膜にします。この手術は、ほとんど痛みや出血がなく外来ででき、8割位の人に効果が認められております。
花粉症の免疫療法としては、減感作療法が行われており、花粉の抽出液の濃度を少しずつ上げて投与し、身体を花粉に慣らせていき花粉に対する抵抗力をつけます。その為、根気が必要で効果が出るまで普通2年以上要します。この方法は、皮下注射免疫療法と近いうちに実用化される舌下免疫療法とがあります。
その他、一回の注射で花粉症を治療する方法がありますが、これは高容量のステロイドホルモンを筋肉に注射するため注射部位の陥没・月経異常などの副作用が出ることがあり、関連する学会でも勧めておりません。
特に妊婦・授乳中の方は避けた方が良さそうです。
花粉症のセルフケアーはよく言われておりますが大切です。
外出時はマスク・帽子などを装用し、帰宅時には家に入る前に花粉を払い落して、室内に持ち込まないように心がけてください。また、洗濯物などは窓越しに干すなど工夫をし、床に落ちている花粉は、こまめに拭き取りましょう。
要は、なるべく花粉を取り込まないようにし、適切な治療を行う事が大切です。そうすれば、花粉症のつらい時期を上手に乗り越えることが出来るでしょう。
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